共生 [The Symbiosis] シリーズ


共生:The Symbiosis

環境・資源問題や少子化による社会問題など、現在から未来にかけ、今私たちが生きている地上、社会の足元を見、考え直さざるを得ないときにさしかかっているようです。豊かさの享受によって飢えや災害、エネルギー浪費による環境悪化など思考しつつもその取り組みには真剣さが見受けられません。相変わらず車は増え大型化し、そして浪費型の社会構造、都市においてはスクラップアンドビルド、周辺では自然を切り崩す宅地化や社会基盤の整備が進み、開発の波はとまらないように見えます。

ずっと前に私たちが遊び、癒され、感性を育んでくれた身近にあった自然は、どこに行ってしまったのかと時間を経た今、振り返ってその変わり様に驚くばかりです。しかしよく考えてみれば身近にあった都市近郊の自然と感じていた緑は、実は遠い祖先が残してくれた人工の自然だったのです。それは防風のため、あるいは防砂のため、そして木材生産のために造られたものだったのです。私たちはそれらを身近な自然と感じ、美しい緑を記憶に残しています。このように自然は人の手で造ることも可能です。

今また盛んになり始めた再開発、人間社会にとって必要な事は止めることはできないかもしれませんが、ひとつ必要な開発をするならば必ずひとつ自然を造る、このような営為を続けていけば私たちも未来に新しい自然を残し、人間の営みと自然と調和のとれた共生、共存環境をつくれるのではないかというメッセージを、この共生シリーズの作品に託しています。







© 2003-2009 M Art Program Associates Co., Ltd. All Rights Reserved.