金属の、それも板材による作品を制作していた頃、なんとか大体積の量感あふれる作品をつくってみたいという欲求にかられていた。

金属で大体積を実現するには莫大な費用がかかり、樹脂によるそれでもやはり少なくない費用であった。

そこで空気を利用することを思いつき、技術的には '70の大阪万博で建築の一工法として完成していた、建築家の知恵を借り実現することができた。

■作品の特徴
  • 経済的に大体積が実現できる。
  • 素材としての色が豊富で、大型で楽しい作品の制作が可能であり、また内部に入る作品も可能である。
  • 図面をもとに完全なメンテナンスが可能であり、永続性を備えている。
  • 空気膜内に均一に圧力がかかることによる形態としての曲線が、同じような曲面をもち退屈になりがちであるため、素材として対極にある、硬い金属のかたちを組み合わせることにより退屈さをのぞくことと、素材との組み合わせの面白さを出すことにした。

制作にかかった当時、すでにフッ素樹脂+ガラス繊維による素材が開発されており、耐用20年という実績もあった(現 東京ドーム)が、作品に永遠性を求めるアートには認知されなかった。

'85の制作をもって一応の区切りとした。







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