喚起装置:Device for Evocation

1971年から始めた”破壊シリーズ”、それはもっともシンプルな素材にもっともシンプルな力(技術)を加え、それによって起こる破壊の一瞬を固定して作品とした。破壊と創造の関係を純化して表現する”メタショック”から”ブラスリッピング”までは、わたしにとってのミニマルアートだった。

純化するということは、いろんな考えや感性を削ぎ落とし、単純化することだったが、削ぎ落とし、捨て去った中にも自分があることを感じ始めた。

1984年より始めた”喚起装置シリーズ”は、”破壊シリーズ”とはまったく逆の立場に立っての制作となった。

アートはすべて人の心を視覚、聴覚、場合によっては触覚により刺激し、高揚、触発させ、あるいは啓蒙さえする働きがある。それは主に心や精神への働きかけではないだろうか。理論、理屈による理解より、心、精神での感動、体感だ。

アートはすべての人の心を喚起する装置である。







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